この節では、AFS for Windows バージョン 3.6 の AFS サーバー・コンポーネントに関する重要な情報について説明します。 AFS サーバーは、Windows NT マシンの AFS サーバー・プロセスを実行します。 Windows NT マシン上の AFS サーバーは、AFS ファイル・サーバー、 AFS データベース・サーバー、 AFS バックアップ・サーバー、および AFS システム制御サーバーのうちの 1 つまたは複数から構成することができます。
AFS for Windows の AFS サーバー・コンポーネントをインストールするには、システムを以下のハードウェア、ソフトウェア、および管理特権の要件に合わせなければなりません。
AFS サーバーをインストールするためのハードウェア要件は、以下のとおりです。
推奨: Pentium またはそれ以上のマイクロプロセッサーを使用している PC
推奨: 32 MB またはそれ以上の大きさの RAM
AFS サーバーをインストールするためのソフトウェア要件は、以下のとおりです。
AFS サーバーをインストールし、構成して開始させるには、 Windows システム上のローカル管理者グループのメンバーでなければなりません。
この節では、AFS for Windows バージョン 3.6 の AFS サーバー・コンポーネントに関する重要な一般情報を中心に説明します。この節では、AFS サーバーのこのリリースで使用可能になった新規機能および拡張機能について説明します。
AFS ボリュームは、管理が容易な単一ユニットに編成され、ファイル・サーバー・マシン間で簡単に移動できて、ネットワーク上のロード・バランスを取りやすい関連ファイルの集合です。各 AFS ボリュームには、関連した特定の割り当て量があります。ボリュームの割り当て量は、そのボリューム内の情報で占めることができる最大のディスク・スペースを示します。割り当て量は、ボリューム単位で設定されるため、もっと多くのデータを含むボリュームに対して大きくしたり、追加スペースの必要がないボリュームに対して小さくしたりすることができます。 AFS for Windows バージョン 3.6 では、 2 GB よりも大きい割り当て量のボリュームをサポートできるようになりました。
システム制御サーバー・マシンの更新保守で使用される暗号化ルーチンは、米国政府の輸出規則の緩和により、 AFS for Windows のすべての バージョンに組み込まれるようになりました。これまで、政府の規制により、こうした暗号化ルーチンの輸出は禁止されていました。したがって、AFS の米国での配布を実行していないサイトでは、重要なシステム情報が暗号化されないで転送されてしまうため、システム制御サーバーを使用して、構成ファイルを配布することができませんでした。すべてのサイトでシステム制御サーバー・マシンを使用して、 AFS サーバー構成情報の新規バージョンを、すべての AFS ファイル・サーバー・マシンに配布できるようになりました。
AFS サーバー・マシンのコンピューター名 ([Network (ネットワーク)] ダイアログ・ボックスの [Identification (識別)] タブの [Computer Name (コンピューター名)] フィールドに表示) は、インターネット・プロトコル (IP) アドレスに名前をマップするために使用されるネーム・サービス (通常は、ドメイン・ネーム・サービスまたは DNS) によりコンピューターに割り当てられるホスト名に対応していなければなりません。たとえば、AFS サーバーをインストールするマシンのコンピューター名が afsserver1 で、 yourcompany.com ドメインにある場合、マシンに対応する DNS の入力は afsserver1.yourcompany.com としなければなりません。
セキュリティーおよびデータベース複写プロトコルをサポートするには、 AFS サーバーを稼働しているすべてのマシンの刻時が同期していなければなりません。時刻同期ソフトウェアが取得できるソースはたくさんあります。たとえば、 Microsoft は、 Windows NT Server Resource Kit とともに timeserv 時刻同期サービスを配布しています。
AFS サーバー・ソフトウェアをインストールするマシンがセキュアでない (つまり、管理者以外の人がマシンにログインできるようになっている) 場合は、環境およびファイル・システム・タイプに合わせて、マシン上の AFS サーバーのソフトウェア・ディレクトリーおよびすべての AFS 区画をセキュアにすることをお勧めします。ただし、AFS サーバー・マシンをセキュアにする際に、 Windows NT のローカル SYSTEM プリンシパルからは、 AFS ソフトウェアおよびすべての AFS 区画に完全にアクセスできるようになっていることを確認してください。このような状態になっていなければ、 AFS プロセスを実行することはできません。
AFS ファイル・サーバーとして稼働している Windows NT マシンを終了する場合は、その前に必ずマシン上の AFS ファイル・サーバーを停止してください。
マシン上で AFS ファイル・サーバーが開始されると、このプロセスで、サルベージ・ファイルが作成されます。ファイル・サーバーを手動で停止すると、このサルベージ・ファイルは除去されます。ただし、AFS ファイル・サーバーが稼働している状態で Windows NT マシンを終了すると、このサルベージ・ファイルは除去されません。このマシンを続けて再始動させると、ファイル・サーバーは自動的に開始され、サルベージ・ファイルの存在が確認されると、サルベージャーを実行します。サルベージャーの実行には非常に時間がかかる可能性があるので、サルベージャー・プロセスを必要以上に実行しないようにするために、マシンを終了させる前に、必ず、マシン上の AFS ファイル・サーバーを停止させるようにしてください。
以下の手順のいずれかを使用して、 Windows NT マシン上の AFS ファイル・サーバーを停止します。
マシン上の AFS ファイル・サーバーが停止します。
bos shutdown -server machine_name -wait
ここで、machine_name は、 AFS ファイル・サーバーが稼働している Windows NT マシンの名前です。
注: | 通常、 AFS ファイル・サーバーとして稼働しているマシンを終了させるのは、予防保守を行う場合のみです。 |
サーバー障害のイベントの際に、破損ダンプ・ファイルを作成するように、すべての AFS サーバー・マシンを構成しておくことをお勧めします。この情報は、テクニカル・サポートの担当者がサーバーの問題点を診断するために使用するので重要です。アプリケーション・エラーが発生した場合に、バイナリーの破損ダンプ・ファイルを自動的に生成する、 Dr. Watson ユーティリティーの構成方法については、 Microsoft Windows NT のドキュメンテーションを参照してください。
AFS for Windows ソフトウェアのインストール先のディレクトリーのパスに含まれるのは、たとえば、デフォルト・ディレクトリー C:\Program Files のように、 ANSI 文字のみでなければなりません。
AFS Server for Windows では、一時ファイルを作成する場合があります。こうしたファイルの作成場所を制御するには、環境変数 (TMP または TEMP) を、参照する一時ディレクトリーの完全修飾パスに設定します。一時ディレクトリーを指定していない場合、一時ファイルはいずれもファイルを作成するプロセスの現行作業ディレクトリーに作成されます。
AFS は、AFS サーバー・グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) ツールおよびドキュメンテーションの各国語サポート (両方向スクリプト (ヘブライ語、アラビア語など) のサポートを含む) を提供します。インストールする言語文字列は、 [コントロール パネル] の [地域のプロパティ] ダイアログ・ボックスに指定されているとおり、ユーザーのマシンのシステム・デフォルト・ロケールによって決まります。現行ロケールの言語文字列が存在しない場合、デフォルトで英語の言語文字列がインストールされます。
注: | マシンのシステム・デフォルト ・ロケールは、マシン上のユーザー ・ロケール (ユーザーが指定) とは別にすることができます。ただし、AFS for Windows でインストールされる言語文字列は、常に、システム・デフォルト・ロケールにより決まります。 |
AFS ユーザー・パスワードを Windows システムから変更すると、新規パスワードの内容の検査時に、 kpwvalid プログラムが使用されません。 (UNIX システム上で、 kpwvalid プログラムが kpasswd プログラムと同じディレクトリーに存在する場合、 kpwvalid プログラムは、新規ユーザー・パスワードごとの内容を検査します。)
AFS サーバー for Windows バージョン 3.6 を、データベース・サーバーが 3.5 よりも古い AFS のバージョンを実行している AFS セルに組み入れる場合、構成プロセスでダイアログ・ボックスのプロンプトが現れて、 AFS プリンシパル・パスワードを指定するように要求します。
注: | 何らかの理由で AFS プリンシパル・パスワードが不明である場合、代わりに、AFS プリンシパルの鍵を表す 24 文字の 8 進数文字列を入力することができます。 8 進数の鍵を取得するには、 AFS データベース・サーバー・マシンで kas examine コマンドまたは boslistkeys コマンドのいずれかを発行します。 AFS プリンシパルの 8 進数の鍵を表示するには、サーバーが noauth モードで稼働していなければならないことに注意してください。 |
この節では、 AFS for Windows バージョン 3.6 の AFS サーバー・コンポーネントについて知られている制限および制約事項について簡単に説明します。
AFS bosserver プロセスでは、現在のところ、制御下のプロセスの終了時に、登録されている通知コマンド (指定されている場合) を実行しません。