この節では、 AFS for Windows バージョン 3.6 の AFS クライアント・コンポーネントに関する重要な情報について説明します。 AFS クライアントを使用すると、 Windows NT を稼働している PC から AFS ファイル・スペースに直接、アクセスできるため、ユーザーは AFS のファイルおよびディレクトリーを管理することができます。AFS クライアントには、AFS Light Gateway が組み込まれていて、 AFS Light ユーザーは、AFS ファイル・スペースにアクセスすることができます。
AFS クライアントをインストールするには、システムを以下のハードウェア、ソフトウェア、および管理特権の要件に合わせなければなりません。
AFS クライアントをインストールするためのハードウェア要件は、以下のとおりです。
AFS クライアントをインストールするためのソフトウェア要件は、以下のとおりです。
AFS クライアントをインストールし、構成して開始させるには、 Windows システム上のローカル管理者グループのメンバーでなければなりません。
この節では、AFS for Windows バージョン 3.6 の AFS クライアント・コンポーネントに関する重要な一般情報を中心に説明します。ここでは、AFS クライアントのこのリリースで使用可能になった新規機能および拡張機能について説明します。
AFS クライアント構成ユーティリティーの [Advanced (拡張)] タブに、ログオン・パラメーター、診断パラメーターおよびその他の各種構成パラメーターを組み合わせるオプションが含まれるようになりました。 [Advanced (拡張)] タブから、グローバル・ドライブ・マッピングを構成することもできます。構成オプションの多くは、これまで、 AFS クライアント・ユーザーが登録設定して使用することができました。
[Advanced (拡張)] タブは、 Windows の [コントロール パネル] からアクセスすることができます。 [Advanced (拡張)] タブを表示するには、以下のようにします。
AFS クライアント・キャッシュは、システム・ページング・ファイルではなく、 AFSCache という名前のファイルに保管されています。デフォルトでは、キャッシュは、Windows がインストールされるドライブに保管されます。 AFS クライアント・キャッシュのサイズは、使用可能な空きディスク・スペースによって制限されます。キャッシュ・サイズは、1 MB 以上でなければなりません。デフォルトのキャッシュ・サイズは、20480 KB (20MB) です。
AFS クライアント・キャッシュの位置が変更できるようになりました。 Windows がインストールされているドライブに十分な空きディスク・スペースがない場合、キャッシュの位置を変更できると有用です。キャッシュの位置を変更するには、 AFS クライアント構成の [Advanced (拡張)] タブの [Cache Path (キャッシュ・パス)] フィールドに有効な完全修飾ファイル名を入力します。
AFS クライアントのグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して、グローバル・ドライブを AFS ファイル・スペースの場所にマップできるようになりました。 IBM AFS クライアント・サービスが開始されると、グローバル・ドライブが AFS ファイル・スペースにマップされ、ユーザーは、ログオンする必要がありません。グローバル・ドライブを AFS にマップするには、以下のようにします。
AFS クライアント・マシンのコンピューター名 ([Network (ネットワーク)] ダイアログ・ボックスの [Identification (識別)] タブの [Computer Name (コンピューター名)] フィールドに表示) は、インターネット・プロトコル (IP) アドレスに名前をマップするために使用されるネーム・サービス (通常は、ドメイン・ネーム・サービスまたは DNS) によりコンピューターに割り当てられるホスト名に対応していなければなりません。たとえば、 AFS クライアントをインストールするマシンのコンピューター名が afsclient1 で、 yourcompany.com ドメインにある場合、マシンに対応する DNS の入力は afsclient1.yourcompany.com としなければなりません。
AFS クライアントには、 bos、kas、 vos、および pts などの管理用コマンドの組があります。これらの組のコマンドは、Windows のコマンド・プロンプトから実行します。
AFS for Windows ソフトウェアのインストール先のディレクトリーのパスに含まれるのは、たとえば、デフォルト・ディレクトリー C:\Program Files のように、 ANSI 文字のみでなければなりません。
クライアント・コンポーネント以外はすべて使用不可にするように、 AFS for Windows セットアップ・プログラムを変更するオプションがあります。このようなクライアントのみのセットアップ・プログラムでは、ユーザーは、 AFS クライアント以外のどのコンポーネントもインストールすることはできません。クライアントのみをインストールするには、その他のインストール・ファイルと同じディレクトリーにファイル setup.co を作成します。これで、セットアップ・プログラムは、AFS クライアントだけをインストールできるようになります。 setup.co ファイルの内容とは関係がないことに注意してください。実行するインストールのタイプにかかわりなく、 IBM AFS for Windows インストールの手引き で説明するインストール手順に従ってください。
AFS クライアント for Windows では、一時ファイルを作成する場合があります。こうしたファイルの作成場所を制御するには、環境変数 (TMP または TEMP) を、参照する一時ディレクトリーの完全修飾パスに設定します。一時ディレクトリーを指定していない場合、一時ファイルはいずれもファイルを作成するプロセスの現行作業ディレクトリーに作成されます。
AFS は、 AFS クライアント・グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) ツールおよびドキュメンテーションの各国語サポート (両方向スクリプト (ヘブライ語、アラビア語など) のサポートを含む) を提供します。インストールする言語文字列は、 [コントロール パネル] の [地域のプロパティ] ダイアログ・ボックスに指定されているとおり、ユーザーのマシンのシステム・デフォルト・ロケールによって決まります。現行ロケールの言語文字列が存在しない場合、デフォルトで英語の言語文字列がインストールされます。
注: | マシンのシステム・デフォルト ・ロケールは、マシン上のユーザー ・ロケール (ユーザーが指定) とは別にすることができます。ただし、AFS for Windows でインストールされる言語文字列は、常に、システム・デフォルト・ロケールにより決まります。 |
AFS ユーザー・パスワードを Windows システムから変更すると、新規パスワードの内容の検査時に、kpwvalid プログラムが使用されません。 (UNIX システム上で、 kpwvalid プログラムが kpasswd プログラムと同じディレクトリーに存在する場合、 kpwvalid プログラムは、すべての新規ユーザー・パスワードの内容を検査します。)
AFS クライアント・サービスで使用される LAN アダプター (LANA) 番号は、 Windows システムで設定している LANA 番号と一致していなければなりません。デフォルトでは、AFS クライアント・サービスは、 LANA 番号 0 (ゼロ) を使用するように構成されています。
AFS クライアントのグラフィカル・ユーザー・インターフェース・ツールを使用して、 AFS クライアント・サービスで使用される LANA 番号の値を変更できるようになりました。 LANA 番号を変更するには、 AFS クライアント構成の [Advanced (拡張)] タブの [Lan Adapter Number (LAN アダプター番号)] フィールドに新しい値を入力します。このパラメーターを変更した後、AFS クライアントを再始動しなければなりません。
あるいは、 Windows NT マシンの NetBIOS 構成を一致させるために、 AFS クライアント・サービスで使用するデフォルトの LANA 番号を変更したくない場合、代わりに、システムの LANA 番号の設定を AFS デフォルト設定 (0) と一致するように変更できます。 [コントロール パネル] のネットワーク・アプリケーションの [Services (サービス)] タブにアクセスします。 [NetBIOS Interface (NetBIOS インターフェイス)] を選択して、 [プロパティ] ボタンを選択します。 [Lana Number (Lana 番号)] フィールドに 0 (ゼロ) を入力します。この Windows の設定を変更した後、マシンを再始動しなければなりません。
AFS クライアントには、 AFS トークンを取得する WinLogon グラフィカル識別および認証 (GINA) モジュールを作成するのに必要なヘッダー・ファイルとライブラリーがあります。これらのヘッダー・ファイルおよびライブラリーは、 <AFS for Windows インストール・ディレクトリー> \afs\client\program ディレクトリーにインストールされます。さらに、コンパイルおよびリンクの説明のサンプル・プログラムが、 <AFS for Windows インストール・ディレクトリー> \afs\client\program\sample\token.c に提供されます。
AFS クライアント・ソフトウェアのアップグレード時に、 Windows ディレクトリーにある AFS クライアント・セル・データベース・ファイル (afsdcell.ini) は、ローカル・セル構成情報を保存するために、置き換えられません。ただし、ベンダーにより配布されるセル・データベースのコピーが、 AFS クライアントのプログラム・ディレクトリーにインストールされます。
この節では、 AFS for Windows バージョン 3.6 の AFS クライアント・コンポーネントについて知られている制限および制約事項について簡単に説明します。
ディレクトリーへのシンボリック・リンクは、ディレクトリーとして処理され、ファイルへのシンボリック・リンクは、Windows NT システムのファイルとして表示されます。いずれもリンクとして表示されません。
現在のところ、 Windows のインターフェース (たとえば、Windows NT エクスプローラ) を使用して、 AFS ファイル・スペースでシンボリック・リンクを削除したり、作成したりすることはできません。 Windows のインターフェースを使用して、シンボリック・リンクであるディレクトリーを削除しようとする場合、ディレクトリーの内容が削除されます。ディレクトリーそのものは削除されません。 Windows のインターフェースを使用して、シンボリック・リンクであるファイルを削除しようとする場合、ターゲット・ファイルではなく、リンクが除去されます。
AFS ファイルおよびディレクトリーに対するシンボリック・リンクを作成または除去するには、 AFS for Windows バージョン 3.6 で提供される symlink.exe プログラムを使用します。 Windows NT のコマンド・プロンプトから symlink コマンドを実行します。
アプリケーション (AFS クライアントなど) をロードする際に、 Windows NT は、アプリケーションのダイナミック・リンク・ライブラリー (DLL) を検索します。 Windows がアプリケーションの DLL を検索する場所は、それぞれ、 Path 環境変数に指定された各ディレクトリーにあります。 Path 環境変数において、ネットワーク・パスが、DLL を含むパスの前に定義されている場合、アプリケーションがロードに失敗する可能性があります。
ほとんどのサービス (AFS クライアントなど) に、 Path 環境変数に指定されているネットワーク・ドライブへのセキュリティー・アクセス権があります。ネットワーク・ドライブがパス上にあり、アプリケーションにネットワークへのアクセス権がない場合、 Windows は、ファイルにアクセスできないプロセスで起こるアクセス拒否エラーとファイルを含むネットワーク・ドライブにアクセスできないプロセスで起こるアクセス拒否エラーを区別できません。これが区別できないために、オペレーティング・システムは、ファイルは存在するが、プロセスでアクセスできないと判断します。このエラーが発生すると、システムは DLL の検索を中断され、 DLL へのアクセスができないと判断します。 Windows は、DLL にアクセスできないと判断しているため、アプリケーションをロードできません。
この問題を回避するために、アプリケーションの DLL へのディレクトリーが、パス内のどのネットワーク・ドライブよりも前にあることを確認してください。